研究・交流プロジェクト|日本研究プラットフォーム・ラボ(JSP) 慶應義塾大学SFC研究所

研究・交流プロジェクト

about Japan, with Japan, in Japan

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は開設以来一貫して、地球社会が現在、あるいは近い将来に直面する社会的課題の解決を目的とした実践的な研究や教育に取り組んできました。その輪を世界に開いていくのが、私たちの新しい「日本研究」です。

核となっているSFC研究所日本研究プラットフォーム・ラボでは、こうした研究を「日本についての研究(about Japan)」、これらの社会的課題に関心を持つ海外の研究機関との共同研究を「日本との研究(with Japan)」、また日本という場で研究することを「日本での研究(in Japan)」とし、これら3つの総体を、SFCが発信する新しい「日本研究」と位置づけています。

いま日本社会が直面している社会的課題は国際社会が共有する課題でもあります。その解決に向けた政策形成の取り組みは、研究パートナーにとっても、また研究フィールドとしても魅力的な研究テーマでしょう。SFC研究所日本研究プラットフォーム・ラボは、実践知のエキスパートであるSFCのファカルティメンバーが有する国際的かつ学際的な研究ネットワークを活かして、探求すべき社会的課題への実践研究を深め、SFCおよび慶應義塾発の提言につなげます。

このような活動を、SFCが世界の大学や研究機関と連携して進めることで、SFC研究所日本研究プラットフォーム・ラボが日本研究および東アジア研究のハブとなることを目指しています。

SFC全体が「日本研究」の空間

SFCは、メディア、ガバナンス、デザイン、テクノロジーを連関させつつ、多様で複雑な社会の問題解決をはかるため、1990年に開設されました。既存の学問分野を再編し、実践を通して21世紀の実学を作り上げること、これがSFCの目標です。そして、時代の変化に即応した教育研究の場を創造し、フロントランナーとして先端研究をリードしてきました。とりわけ日本で最初に創設された総合政策学部は「実践知の学問」を標榜し、研究成果をSFCおよび慶應義塾発の政策形成のための提言につなげ、世界に向けて発信しています。

総合政策学部では、SFC研究所日本研究プラットフォーム・ラボが核となって、2011年度から3年間、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「新しい『日本研究』の理論と実践」に取り組むことになりました。この研究プロジェクトでは、具体的なテーマとして日本社会にとって喫緊の課題であり、国際社会も共有している次の3つの問題群を選び、世界の日本研究者との議論を通じて、グローバルネットワークを構築していくという態勢をとっています。

新しい「日本研究」概念図

第1問題群は社会の少子高齢化によって生起する諸問題であり、「少子高齢化社会の『メゾ・ガバナンス』」に関する研究、第2問題群は情報社会の進展にともなって生起する諸問題であり、「情報社会におけるレゾリューション」の問題を研究しています。第3問題群は東アジアの国際関係をめぐる諸問題であり、日本の成長戦略の基盤である「東アジア地域の安全保障と経済連携」に関する問題を研究しています。これら3つの問題群は個別に独立した存在ではなく、相互に関連しています。第1問題群および第2問題群は、国際社会が時間軸と空間軸を超えて共有する問題であり、日本を問題解決のための「テスト・ベッド」と位置付けています。そこから応用可能な理論としての日本モデルが抽出され、問題解決の応用と実践の場が第3問題群の対象となる東アジアです。これらの課題に関わる海外の日本研究者と協力して研究を深めるとともに、グローバルな研究ネットワークの構築を目指し、SFC研究所日本研究プラットフォーム・ラボが日本研究および東アジア研究のハブとなることを目指しています。

日本研究プラットフォーム・ラボを通じて形成される世界各国・地域の研究・文化交流機関との共同研究ネットワークは、日本発の問題解決の発信の場となり、学生の国際的なコミュニティーへの参加や留学生および海外研究者の受け入れを促すことになるでしょう。